こんにちは。
ヴィンスです。
この記事では私が「元神主だったんです」と自己紹介をした時に、よく聞かれる疑問について回答しています。ついでに私の体験談や友人の神職から聞いた話なども含めてまとめてみました。
寺と神社の違いは何?
まず宗教が違います。お寺は『仏教』、神社は『神道(しんとう)』です。
難しい話は抜きにして解説すると、
【お寺の特徴】
・お坊さんがいる。
・年明けに除夜の鐘を打つ。
・境内に墓地がある。
・観光地だとほぼ100%拝観料を取られる。
・宗教は仏教(現在は臨済宗や浄土真宗など宗派が分かれている)
【神社の特徴】
・神主、巫女さんがいる。
・入り口に鳥居がある。
・境内に入るだけなら無料(宝物庫などは有料の場合が多い)
・宗教は神道(仏教以前にあった自然崇拝が元になり、八百万の神々を祀っている)
見た目の特徴で言うとこんな感じ。学校で習う知識ではないため知らない人も多いです。
学生時代は友人に、
「お前神主やってるんだって?髪の毛を丸坊主にしなくていいのかよw」
とよく言われました 笑
お坊さんと混同している良い例です。この記事を読んで寺と神社の違いを覚えていってくださいね。
神主と宮司って何が違うの?
そもそも神主という呼び方が一般的な呼称で、正式には『神職(しんしょく)』と言います。
神社内には役職名があり、これらの名前を『宮司』などと言います。
【神社の役職名】
・宮司(ぐうじ):神社のトップの人。会社でいうとシャチョサン。
・権宮司(ごんぐうじ):神社のNo.2。中小の神社だとほぼいない役職。
・禰宜(ねぎ):中間管理職。小さな神社は親父が宮司で息子が禰宜が一般的。
・権禰宜(ごんねぎ):会社でいう係長。ここまでくれば一人前の神主。
・宮掌(くじょう):伊勢神宮や熱田神宮などにしかいない。権禰宜の下。
・出仕(しゅっし):ひよこ社員。はじめは皆ここからスタート。
役職の上がり方
神社はまだまだ年功序列が根強い世界です。長く勤めているほど上がりやすくなります。
「神主は60歳を超えてからが本番」
なんて言葉も耳にしたことがあるくらいです 笑
実際に長く神社界に貢献すれば、天皇陛下から叙勲を受けて園遊会に呼ばれることもあります!
宮司と禰宜は各神社に1名ずつしかいないため、大きい神社ほど競争は激しい。権禰宜の中には順位があり、禰宜に最も近い人は『筆頭権禰宜』と呼ばれます。
あとおまけとして、息子に宮司を譲って代替わりをしたり神社に貢献した宮司は『名誉宮司』という肩書を持つ場合もあります。
神主の袴の色が違うのは何か理由がある?
神社に行くと神主の袴は水色っぽかったり紫色だったりと、人によって色が違います。
これは神主が自由に決めているわけではなく、『神職身分』で決まっています。
神職身分とは何か
『神職身分に関する規程』というものが神社本庁から出されており、経歴や神社界への功績により決まります。下は四級から上は特級までの6段階。
下記に神職身分をまとめましたので、今後神社に行った際には袴の色を見てください。袴の色で神職がどのポジションにいるのかが、大まかに見分けられます。
【神職身分の一覧】
・特級:袴は白地に紋が入っています。全国※約25,000人の神職のうち、わずか100人にも満たない最高位。
・一級:紫色の袴に白の紋。個人的に一番格好いいと思っています。大きい神社なら1人はいますが、中小の神社でこの袴を見かけたら相当すごい人です。
・二級上:紫の袴にうっすらと紋が見えます。中小の神社で二級上に認定されれば立派な神主さんです。
・二級:無地に紫色の袴。大きい神社なら結構見かけます。小さい神社だと禰宜か宮司のどちらかです。
・三級、四級:無地に浅葱色の袴。若い神主さんはこのイメージが強いかも。二級に上がるのは時間がかかるため、浅葱色で過ごす期間は長いです。
※神職の人数に関しては文化庁の宗教統計調査を参考にしています。
大きい神社のほうが紫色の袴以上の人が多いです。特に白地で紋入りの袴を見かけたら、間違いなくトップの人。滅多にお目にかかれません。
一方で中小の神社なら紫色の袴で人生を終えるのはごく普通。紋付きをつけていたら長年神社界に貢献されている方です。
ちなみに無地の白い袴は入ったばかりの新人か学生になります。
大学の実習でも奉職した最初の神社でもまずは白い袴から。特級の袴も白地に紋入りのため、「白に始まり白に終わる」と言われてました。
神職は普段何をしている?
神主の仕事内容については別記事にまとめています。はたから見れば浮世離れしている格好ですが、裏から見ると泥くさいこともやっているんです。
神主ってどうやってなるの?
神主になるためには『神職資格』を取得し、奉職先の神社を見つけなければいけません。
こちらの記事にまとめています。参考までにどうぞ。
神主の結婚相手はどんな人?出会いはあるの?
大きな神社では巫女さんと結婚する例が多いですね。あと幼稚園を併設してやっている神社もあるため、そこで勤めている保育士さんとか。
地域の方から見合い話もあったりしますが、一般人との違いはそれくらいでしょうか。
巫女もいない、幼稚園もない神社なら出会いに関しては悲惨ですw
年末以外に巫女さんを雇ってない神社も多いため、友人から紹介してもらったり婚活パーティーに行ったりしていますよ。
霊感はありますか?
これも聞かれることが多い質問です。
Q.実は最近よくないことが重なって…、私って取り憑かれているんでしょうか?
A.わからん(´・ω・`)
決して意地悪を言っているわけではなく、私は霊感がないのでわからないんです。
そういう人には厄除けをオススメしています。ちなみに過去20人以上の神主に聞いてみましたが、霊感持ちは0人でした。
とはいえ私が知らないだけなので、霊感持ちの神主がいたらぜひ話を聞いてみたいです。ご飯食べにいきましょう!
神主さん(または巫女さん)と結婚したいです!
神主さんと結婚したい場合は、巫女のバイトをやってみてください。そこで雰囲気を掴んでからでも遅くないと思います。
しかし巫女は年齢制限があります…
表立っては記載してませんが、25歳以上だと厳しいでしょう。
そんな方には神社庁や神道青年会が主催の婚活パーティーをオススメします。
不定期かつ大々的に告知はしていないため、お住まいの神社庁や青年会に問い合わせしてみるのがいいです。
次に巫女と結婚したい野郎どもは、神職になるか自力で口説いてください 笑
そもそも巫女と結婚したい、という考えがよくわからんのです。
正月の神社で可愛い巫女さんがいた!という場合は十中八九、バイトです。近所の高校生や大学生なので、神社の外で誘ってみるのがいいんじゃないでしょうか。
常勤の巫女さんだったら…お祭りやイベントに積極的に参加して接点をもち、その後食事に誘ったりすればいいんじゃないかなと。
まとめ:義務教育では習わないこと
サラリーマン家庭から神社の神主になり、多少の知識を持つ身ではありますが、私の思っている以上に神道や神社について知らない人が多いんだなと痛感しています。
とはいえパワースポットや御朱印ブームもあり、興味を持つ人が増えている状況は良いと思います。
神道はキリスト教と異なり多神教。自分の好きな神様を選んでお参りもできます。
大国主命は出雲大社で縁結び、菅原道真は湯島天神で学業成就など。
ぜひ神社に足を運び、袴の色を確認してみてください 笑
以上で終わります。
ありがとうございました!